グリーフケアとは ⑥

前回はノーマル・グリーフ(複雑化していないグリーフ)について紹介しました。

今回は複雑化したグリーフについて紹介します。

複雑化したグリーフとは、衝撃的な喪失を経験した後、いろいろな要件や条件が重なり、病的にさえなってしまうグリーフのことです。

 

 

複雑化したグリーフ下記のような症候がみられます。

 

①グリーフの欠如

 表面上はグリーフの様子が全く見られない状況。

②遅延したグリーフ

 意識的・無意識的にグリーフを遅らせる(将来的に複雑化したグリーフになることが多い)。

③抑制されたグリーフ

 ノーマルな反応(怒り等)を無意識に制御している。

④歪んだグリーフ

 感情の一部が極端に強調され、他の感情は抑圧される。

⑤葛藤のあるグリーフ

 故人との関係に葛藤がある場合、遺された人のグリーフも葛藤が続く。

⑥予期しないグリーフ

 突然の死や若年層の「早すぎる死」などが与えるショックは大きく、複雑化につながることが多い。

⑦慢性的なグリーフ

 死別後1年以上経過しても当初の強い感情が続き、一向に生活に適応する様子が見られない。

 

私の場合は④、⑥、⑦が顕著でした。

 

 

また、複雑化したグリーフ反応の具体的事例としては、

 

・喪失、離別に対して極端な脆弱性や敏感性、過激な反応を示す。

・ちょっとしたことにすぐ反応し、いつも気が張っているような状態になる。立ち止まると不安になるようで、常に動き回っている

・非常に頑固に、自分の自由や幸せを束縛するような行動をとる。

・いかなる感情も経験できず、他人の目には何の変化も影響を受けた様子も見受けられない

・(死別以降)取りつかれたように他者の世話をしようとしたり、世話をする対象を求めようとする

・(死別以降)ドラッグやアルコールなどの精神活性剤を服薬するようになったり、量が増えたりなどの自己破滅的で自虐的・暴力的な行為に走る。

慢性的に怒り・苛立ち・うつが混じり合った状態(イライラ、好戦的、短気)になる。

 

などが挙げられます。

 

 

次回は他のグリーフ理論についても紹介します。

 

ではまた。