前回はノーマル・グリーフ(複雑化していないグリーフ)について紹介しました。
今回は複雑化したグリーフについて紹介します。
複雑化したグリーフとは、衝撃的な喪失を経験した後、いろいろな要件や条件が重なり、病的にさえなってしまうグリーフのことです。
複雑化したグリーフは下記のような症候がみられます。
①グリーフの欠如
表面上はグリーフの様子が全く見られない状況。
②遅延したグリーフ
意識的・無意識的にグリーフを遅らせる(将来的に複雑化したグリーフになることが多い)。
③抑制されたグリーフ
ノーマルな反応(怒り等)を無意識に制御している。
④歪んだグリーフ
感情の一部が極端に強調され、他の感情は抑圧される。
⑤葛藤のあるグリーフ
故人との関係に葛藤がある場合、遺された人のグリーフも葛藤が続く。
⑥予期しないグリーフ
突然の死や若年層の「早すぎる死」などが与えるショックは大きく、複雑化につながることが多い。
⑦慢性的なグリーフ
死別後1年以上経過しても当初の強い感情が続き、一向に生活に適応する様子が見られない。
私の場合は④、⑥、⑦が顕著でした。
また、複雑化したグリーフ反応の具体的事例としては、
・喪失、離別に対して極端な脆弱性や敏感性、過激な反応を示す。
・ちょっとしたことにすぐ反応し、いつも気が張っているような状態になる。立ち止まると不安になるようで、常に動き回っている。
・非常に頑固に、自分の自由や幸せを束縛するような行動をとる。
・いかなる感情も経験できず、他人の目には何の変化も影響を受けた様子も見受けられない。
・(死別以降)取りつかれたように他者の世話をしようとしたり、世話をする対象を求めようとする。
・(死別以降)ドラッグやアルコールなどの精神活性剤を服薬するようになったり、量が増えたりなどの自己破滅的で自虐的・暴力的な行為に走る。
・慢性的に怒り・苛立ち・うつが混じり合った状態(イライラ、好戦的、短気)になる。
などが挙げられます。
次回は他のグリーフ理論についても紹介します。
ではまた。