グリーフケアとは ⑤で、ノーマルグリーフの代表的な理論としてニーメヤーのグリーフ理論を紹介しましたが、グリーフ理論は他にもあります。
なんせ目では見えないものなので、理論はたくさん存在します。
今回は有名どころのランド―のグリーフ理論(ランドーの6R)をご紹介します。
ランド―の6Rとは、R1~R6までのグリーフの段階を示したものです。
●回避のフェーズ
R1 喪失を容認する
(死を容認する、死の意味を理解する)
●直面のフェーズ
R2 離別に反応する
痛みを経験する、喪失に対するあらゆる感情を認識・受容・表現する、第二義的喪失※の発見
R3 故人と故人との関係を思い出し再体験する
現実的に反芻し思い出す、感情を蘇らせ再体験する
R4 故人と従来の想定の世界に対する愛着(アタッチメント)を断念する
●適応のフェーズ
R5 新しい世界にうまく適応するために調整する(古い世界を忘れずに)
想定の世界を改訂する、故人との新しい関係を構築する、新たな世界に自分を位置づける、
新たなアイデンティティの構築
R6 再投資
新たな世界にエネルギーを投資していく
それぞれのRで滞りがあると、グリーフは複雑化し、回復が遅れることになります。
また、この6つのRの段階は決してスムーズに進むわけではなく、行きつ戻りつして徐々に前に進んでいくというイメージです。例えば、ダイエットしたときの体重推移って、増減や停滞を繰り返しながら徐々に減っていくものじゃないですか。そういう感じですね。
私の場合は、空がこの世にはもういないことは認めていましたが、空のいない現実には適応できていませんでした。上記でいうと、R4とR5の間で留まっていたんですね。
改めて考えると、(もちろん経験も重要ですが)理論も本当に重要だなと思います。
もちろん理論が全てとは思いませんが、客観的に見ることは大事なことですね。
次回はウォーデンの4つのタスク(課題)についてご紹介します。
ではまた。
※第二義的喪失とは・・・「自分にとっての故人」という、第一義的喪失に付随した喪失のこと。(例.夫が亡くなったことで経済的に困窮し、生活レベルを落とさざるを得なかった 等)