本日はグリーフケアの続きの「喪失からの回復・適応・対応」の「適応・対応」についてです。
グリーフケアの説明につきましては、今回で最後です。
グリーフケア⑨で、『グリーフの『回復』とは、悪い状態になったものがもとの状態に戻ることではなく、現状に適応すること(=以前の活動機能レベルを取り戻すこと)を意味します。つまり、『一般的な回復』とは意味合いがかなり違っているのです。』と書きました。
上記を前提として、「適応・対応」について書いていきたいと思います。
「適応・対応」とは『現実や社会に適応・対応する』ということですが、具体的な5項目を挙げますと
1.日常の意地に必要なエネルギーがある
2.悲痛から解放されて心理的に安堵できる
3.楽しい出来事を経験して、またそれを期待して満足感を覚える
4.将来の計画をして、それを想って希望的になる
5.家庭内の役割や、共同体での役割をある程度の適性をもって果たせる
になります。
ポイントは、100%適応できなくてもある程度適応できれば十分であるということです。なぜなら、そもそも以前と同レベルになることはないからです。
グリーフの激痛に適応・対応するのは並大抵のことではありません。
ですが、粉々に壊された自分の世界を認知と行動で前向きに取り組むことは、非常に重要です。
また、現実に適応することは、決して「存在を忘れる」ことや「思いを捨てる」ことではありません。
ペットの死後も、私たちは生きていかねばなりません。「この世界で生きていく」ということは、「現実に適応する」ことと同義なのです。
ではまた。